1951年7月29日、バイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。通称「バイロイトの第九」はバイロイト音楽祭の戦後初開催の初日に行われた伝説の実況録音盤で、まさに20世紀の人類の遺産ともいうべきレコードです。英国盤(超高価!)を除けば最も音質的評価の高いフランス盤、しかし値段はこなれており、盤質も良好なお勧め品。
カテゴリー: 名盤サロン
俗世の欲得抜きの枯れた境地☆エヴァーグリーン バックハウス、ベーム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ピアノ協奏曲第2番
-英国デッカ廉価盤一考察-SP末期の40年代後半に独自の高音質録音技術 Full Frequency Range Recording (ffrr)という潜水艦技術応用した音を引き下げ突如市場に登場。LP時代に入ると連合国の一員でしたからウイーンフィルと独占録音契約を結んでクレメンス・クラウス,クナパーツブッシュ,ワルターなどの名演奏をカタログに加えるとともに,デッカ重役の親友だったアンセルメやクラシックとポピュラーの偉大な融合立役者マントヴァーニも加え(当時のモノラルとしては)超高音質の録音で一世を風靡。そのデッカがステレオ時代に入った1958年に満を持して発表したのが Full Frequency Stereo Sound (FFSS) によるレコードです.以後CD時代に入る1980年代初頭まで,FFSSは高音質ステレオ録音の代名詞として不動の地位でした。 これらのレコードは英国本国,ヨーロッパ,南アフリカやオセアニア,韓国などでは Decca(デッカ)レーベルで発売されましたが,同名のレーベル(米デッカ)が存在したアメリカと,アメリカ経由の原盤供給が普通だった日本では London (ロンドン)レーベルで発売.日本ではご存知の様にキングレコード社が長年にわたって配給元となっていました。そしてキングレコードによる国内プレスが行なわれましたが,プレス時に使われるスタンパー(レコードの鋳型)の大部分に英国から輸入した金属原盤を使っていました.したがって,カッティングは英国盤と同じ,音質について差が出るのはレコードの盤質だけです.1950年代の初期日本プレスはノイズが多いなど問題があったようですが,1960年代からは英国盤より高い品質を誇ったと思います。レコードの金属原盤やスタンパーは消耗品なので,販売を続けるうちにどうしてもカッティングなどを更新する必要があります1スタンパー500枚程度だと聞いていますが・・・このときに音質の変化が起こります.カッティングのもとになるマスターテープの音質が経年変化で徐々に低下すると言われています。本題の今回出品するデッカの廉価盤は60年代初頭発売のモノラルの「Ace of Clubs」ではじまり,1965年頃からはステレオ録音を「Ace of Diamonds レーベル(SDDナンバー)」として再発売されSDDも70年頃まで(SDD100番台)はレーベルが大きく,上部に Full Frequency Range Recording という表示。これらは盤質もED1ワイドバンドと同様なだけでなく,ほとんどの場合ワイドバンドで使われた金属原盤を流用してプレスされているので,音質的にワイドバンドに匹敵するものになっています.とくに高価なSXL2000番台の再発にあたるものは,市場価格が非常に安いこともあって隠れたコレクターズアイテムです。大レーベルで溝ありと溝なしがあります.70年代に入るとSDDシリーズのレーベルも小さくなります。レーベルのデザインも微妙に変化しています.これらはオリジナルのSXLと別編集のリカッティングになっているものも多く,盤質も低下していて,コレクション的な価値も下がりますが、今回のキングレコード社直輸入盤は「オリジナルSXL****と同じZAL****1-3W(A)/1-3W(A)初期スタンパー使用盤多く最近リリースの独逸製造レプリカ180g盤よりオリジナル盤に近い音がすると個人的に思っています。次にデッカは第2の廉価盤シリーズ「 Eclipse」 をリリース。これもほとんどはSXLナンバーで発売された録音の再発ですが,一部にそれまでモノラルでしか発売されていなかった録音のリアルステレオ盤や,SP復刻などに初発録音があって,それらは初出として価値の高いものとされています。しかし,スタンパーが異なる編集盤や,モノラル録音疑似ステレオ盤はコレクション的には無価値と考えられているようですが・・・米国でも負けずにLondon Stereo Treasury Seriesの70年代以降プレス,小レーベル。このころ(STS15200以降)は英国でEclipseやSPAで出ている録音もこのレーベルで発売されています.中には英国で再発されなかったようなものも含まれており,じっくり調べると興味深いものです
♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲
フランスの名チェリスト、フルニエがセルの指揮するベルリン・フィルハーモニーをバックに、1960年代初頭に録音した名盤の誉れ高いドヴォルザークのチェロ協奏曲。この協奏曲に内在する郷愁や憧憬を雄大なスケールで、しかも詩情豊かに表現した名演です。これは75年に再販プレスされたもの。
音楽を物語る◉ミュンシュ指揮パリ管◉ラヴェル・ボレロ、スペイン狂詩曲、ダフニスとクロエ、亡き王女の為のパヴァーヌ
ミュンシュ最晩年のパリ管とのラヴェル名曲選。曲目はボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌ、スペイン狂詩曲、ダフニスとクロエ。ゆったりとしたテンポでラヴェルの美しい旋律が引き立てられた名演。この年代のパリ管は本当に美しい!
♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲
フランスの名チェリスト、フルニエがセルの指揮するベルリン・フィルハーモニーをバックに、1960年代初頭に録音した名盤の誉れ高いドヴォルザークのチェロ協奏曲。この協奏曲に内在する郷愁や憧憬を雄大なスケールで、しかも詩情豊かに表現した名演です。これは75年に再販プレスされたもの。
首尾一貫した緊張感◉オイストラフ、ロストロポーヴィチ、セル&クリーヴランド管◯ブラームス・ヴァイオリン協奏曲&二重協奏曲
初期カラー切手、初期盤です。
20世紀で最も美しいピアノ*ロベール・カサドシュ フランスらしい気品を持ち合わせながらも己に酔うことなくスタイリッシュ
フランスのピアニスト、ロベール・カサドシュが没した日(1972年)。フランスらしい気品を持ち合わせながらもその演奏は、己に酔うことなくスタイリッシュなのが特徴である。ドビュッシーやラヴェルはもちろん、モーツァルトも得意とし、他にも厳格なドイツものにも造詣が深かった。音楽一家に生まれ、甥のジャン=クロードは指揮者であり、その孫であるトーマス・エンコは現在ジャズピアニストとして活躍している。
オペラ入門の第一歩に ヴィントガッセン、ニルソン、ショルティ指揮ウィーン・フィル ワーグナー・神々の黄昏・ハイライト
録音、臨場感、演奏全てが、満足できる域に達している。
アルベリッヒの子ハーゲンは父の遺志のために、指輪を奪うことを考えている。彼には異父兄弟のグンターとグートルーネがいる。ジークフリートに過去の女性を忘れさせる薬を飲ませてグートルーネに求婚させ、その条件にブリュンヒルデを騙してグンターと結婚させる。夫の裏切りを怒ったブリュンヒルデはハーゲンにジークフリートの弱点を教える。狩りで記憶を戻したジークフリートはハーゲンに殺されてしまう。ブリュンヒルデは夫を焼く火の中に飛び込むと、ワルハラ城も炎上してしまうという何とも云えない壮絶なストーリーだが、神話の世界のことだと片付けられないような現実感。現代の世界情勢は『指環』の呪いにかかっていたのか。 ― とまれ、このヒロイン・ブリンヒルデを演じられる(歌える)歌手は超限定されてくる。ソプラノに恵まれていた時代とはいえ、英デッカの人選は正しかったと思う。
クナッパーツブッシュによる、1951年バイロイトでの「指環」全曲ライヴ録音のリリースを断念したカルショーは、スタジオ録音を計画。まず、「ワルキューレ」からその録音は始まったが(1957年10月)、クナッパーツブッシュはカルショー・チームに非協力的で、結局カルショーは、断念。その時の、クナッパーツブッシュによる第1幕の録音だけはリリースされた。
どこからか働きかけがあったのかどうか、ショルティに白羽の矢を立て本セットの三幕テスト録音した結果、出来上がりは上々。最終的にショルティを指揮者に据え、レコード録音の偉業と讃えられた英デッカ社の「指環」全曲録音は完成。当然社運をかけたプロジェクト。ワルキューレ三幕テスト録音同様、録音、臨場感、演奏全てが、満足できる域に達していることは言うまでもない。
通販レコードのご案内
■プロデュース:ジョン・カルショー、エンジニア:エリック・スミス&ジェイムズ・ブラウン。名演、名盤、優秀録音。
- レコード番号
- SXL6220
- 作曲家
- リヒャルト・ワーグナー
- 演奏者
- ビルギット・ニルソン ヴォルフガング・ヴィントガッセン ゴットロープ・フリック ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
- オーケストラ
- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 指揮者
- ゲオルク・ショルティ
- 録音種別
- STEREO
通販レコード詳細・コンディション、価格
"MADE IN ENGLAND BY THE DECCA"WIDE BAND WITH GROOVED ED2, STEREO 1枚組(160g), Stamper 2W/2W, Release 1965。
- ジャケット状態
- EX
- レコード状態
- EX
- 製盤国
- GB(イギリス)盤
オーダーは | 品番 / 34-16938 |
特別価格 | 4,400円(税込) |
通常価格 | 5,500円(税込) |
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。
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モーツァルト生誕200周年に企画制作された記念碑的LP◉パリのモーツァルト ウーブラドゥ ブリュン ラスキーヌ
モーツァルトが3度に渡るパリ滞在時に作曲した作品をフランスの奏者のみで収録した「パリのモーツァルト」は、モノラル録音によるレコード史上に残る名盤として知られています。これは、伝説的名演のフランソワ=ジュリアン・ブリュンとリリー・ラスキーヌによる「フルートとハープのための協奏曲」を収録する第1巻。日本プレス盤ながら驚くほど瑞々しい音で再生されます。
俗世の欲得抜きの枯れた境地☆エヴァーグリーン バックハウス、ベーム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ピアノ協奏曲第2番
-英国デッカ廉価盤一考察-SP末期の40年代後半に独自の高音質録音技術 Full Frequency Range Recording (ffrr)という潜水艦技術応用した音を引き下げ突如市場に登場。LP時代に入ると連合国の一員でしたからウイーンフィルと独占録音契約を結んでクレメンス・クラウス,クナパーツブッシュ,ワルターなどの名演奏をカタログに加えるとともに,デッカ重役の親友だったアンセルメやクラシックとポピュラーの偉大な融合立役者マントヴァーニも加え(当時のモノラルとしては)超高音質の録音で一世を風靡。そのデッカがステレオ時代に入った1958年に満を持して発表したのが Full Frequency Stereo Sound (FFSS) によるレコードです.以後CD時代に入る1980年代初頭まで,FFSSは高音質ステレオ録音の代名詞として不動の地位でした。 これらのレコードは英国本国,ヨーロッパ,南アフリカやオセアニア,韓国などでは Decca(デッカ)レーベルで発売されましたが,同名のレーベル(米デッカ)が存在したアメリカと,アメリカ経由の原盤供給が普通だった日本では London (ロンドン)レーベルで発売.日本ではご存知の様にキングレコード社が長年にわたって配給元となっていました。そしてキングレコードによる国内プレスが行なわれましたが,プレス時に使われるスタンパー(レコードの鋳型)の大部分に英国から輸入した金属原盤を使っていました.したがって,カッティングは英国盤と同じ,音質について差が出るのはレコードの盤質だけです.1950年代の初期日本プレスはノイズが多いなど問題があったようですが,1960年代からは英国盤より高い品質を誇ったと思います。レコードの金属原盤やスタンパーは消耗品なので,販売を続けるうちにどうしてもカッティングなどを更新する必要があります1スタンパー500枚程度だと聞いていますが・・・このときに音質の変化が起こります.カッティングのもとになるマスターテープの音質が経年変化で徐々に低下すると言われています。本題の今回出品するデッカの廉価盤は60年代初頭発売のモノラルの「Ace of Clubs」ではじまり,1965年頃からはステレオ録音を「Ace of Diamonds レーベル(SDDナンバー)」として再発売されSDDも70年頃まで(SDD100番台)はレーベルが大きく,上部に Full Frequency Range Recording という表示。これらは盤質もED1ワイドバンドと同様なだけでなく,ほとんどの場合ワイドバンドで使われた金属原盤を流用してプレスされているので,音質的にワイドバンドに匹敵するものになっています.とくに高価なSXL2000番台の再発にあたるものは,市場価格が非常に安いこともあって隠れたコレクターズアイテムです。大レーベルで溝ありと溝なしがあります.70年代に入るとSDDシリーズのレーベルも小さくなります。レーベルのデザインも微妙に変化しています.これらはオリジナルのSXLと別編集のリカッティングになっているものも多く,盤質も低下していて,コレクション的な価値も下がりますが、今回のキングレコード社直輸入盤は「オリジナルSXL****と同じZAL****1-3W(A)/1-3W(A)初期スタンパー使用盤多く最近リリースの独逸製造レプリカ180g盤よりオリジナル盤に近い音がすると個人的に思っています。次にデッカは第2の廉価盤シリーズ「 Eclipse」 をリリース。これもほとんどはSXLナンバーで発売された録音の再発ですが,一部にそれまでモノラルでしか発売されていなかった録音のリアルステレオ盤や,SP復刻などに初発録音があって,それらは初出として価値の高いものとされています。しかし,スタンパーが異なる編集盤や,モノラル録音疑似ステレオ盤はコレクション的には無価値と考えられているようですが・・・米国でも負けずにLondon Stereo Treasury Seriesの70年代以降プレス,小レーベル。このころ(STS15200以降)は英国でEclipseやSPAで出ている録音もこのレーベルで発売されています.中には英国で再発されなかったようなものも含まれており,じっくり調べると興味深いものです