俗世の欲得抜きの枯れた境地☆エヴァーグリーン バックハウス、ベーム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ピアノ協奏曲第2番

鍵盤の獅子王と異名をとる日本でとりわけ人気の高いピアニスト、バックハウスによるブラームス。

  • 80歳を超えた大家が、ベーム/ウィーン・フィルによる極上のバックを得て、堅固に構築された様式感をもって堂々たるピアノをきかせている。発売以来一度たりともカタログから消えたことのない、まさにエヴァーグリン的な名盤と称せましょう。
  • NL DECCA JB94 バックハウス/ベーム/ウィーンフィル ブラームス ピアノ協奏曲第2番

通販レコードのご案内《蘭プレス盤》NL DECCA JB94 バックハウス/ベーム/ウィーン・フィル ブラームス ピアノ協奏曲第2番

 バックハウスのピアノですが、言い尽くされている通り特徴が無いのが特徴といえるでしょうか。要は、テクニックをひけらかすわけでもなく、その澄んだ音色ともあいまって、ひどくシンプルなのです。
 でも、繰り返し聞いていると、何か、そのピアノが、まるで、融通無碍(ゆうずうむげ)の境地で、自由にブラームスの音符と戯れているように、静かな所は静かに激しいところは激しく聴こえて来るところが、彼の魅力と言えるでしょうか。
 このバックハウスを土台からしっかり支えているのが、壮年期で充実しかけたベーム。そのテンポも速く、劇的な演出はどこにもないが、曲が進むに連れて熱気を帯びてくる。
 それがベームの解釈であろうが、ウィーン・フィルの奏者達のブラームスへの献身こそが活気を呼び起こしているのかもしれませんね。
 アコースティックな響きを伴ってベームが迫ってくる。そういう印象が強い再生音です。
 音圧が高く、音に密度と力がある。高域の空間と伸びは適度。低域は空間が広く、密度のある音。チェロをはじめとする弦楽器も温かい音色で、高低の分離も良い。ことブラームスに関しては、一歩も二歩も止揚していると感じ入ります。お互いに晩年に差し掛かり 枯れた境地 が伝わって参ります。イギリス・プレス盤、ステレオ録音。

1967年4月14〜18日にウィーン、ムジークフェラインザールでのセッション録音。エンジニアはクレジット無し。優秀録音、名盤。

■ SXL.6322

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
JB94
作曲家
ヨハネス・ブラームス
演奏者
ウィルヘルム・バックハウス
オーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
カール・ベーム
録音種別
STEREO
オランダ・デッカ・プレス, STEREO 1枚組(110g),Stamper 10G/3D。

販売レコードのカバー、レーベル写真

NL DECCA JB94 バックハウス/ベーム/ウィーンフィル ブ…
NL DECCA JB94 バックハウス/ベーム/ウィーンフィル ブ…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
NL(オランダ)盤


通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
 
オーダーは 品番 / 34-27177
販売価格 2,200円(税込)
 レコードのステレオ録音は、英国 DECCA が先頭を走っていた。英 DECCA は、1941年頃に開発した高音質録音 ffrr の技術を用いて、1945年には高音質 SPレコードを、1949年には高音質 LPレコードを発表した。その高音質の素晴らしさはあっという間に、オーディオ・マニアや音楽愛好家を虜にしてしまった。ステレオ録音黎明期(れいめいき)1958年から、FFSS ( Full Frequency Stereo Sound )と呼ばれる先進技術を武器に、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売し、アナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけ君臨しつづけた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマン SX-68 を導入するまで続けられた。

最近のワイドレンジだけれどもどこか薄い音とは違う…

 その真相はニール・ヤングによる今のアナログ・レコードへのダメ出しが分かりやすい。
 現在は CD 音源、ハイレゾ音源、デジタル・ストリーミング音源と音質も方式も様々だが、アナログ・レコードもアメリカのアンティークショップから発売されるものを中心にブームになっている。
自身もストリーミング会社を起こしたニール・ヤングがアナログ・レコードに対して物申した。
現在のアナログ・レコードは CD マスター音源から作られており CD を超える音質となっていないそうだ。そして、これはデジタルよりもアナログが優位だとは言ってはいない。
 SACD で日常的に聴いているとワイドレンジにゆとりがあることが感じられる。デジタル録音はアナログ・マイクで拾った音をデジタル化される。CD 用のマスター音源は、これにイコールではない。市販されている CD は規格が定められていて容量に制限が有る。
低い音、高い音(正確には周波数帯だが)を CD に入れられる範囲にカットされている音を聞いている。
一方、その昔のアナログ・レコードはアナログで録音され、その音源からレコードを製作していたので全ての拾える限りの音を捉えていました。ただプレス時の条件で個体差があるし、再生を重ねた時の摩耗、そして40年、50年もたった当時のレコード盤に使用されたマテリアルの経年劣化など、レコード盤の物理的な限界はあるとしてもね。
 デジタルは経年劣化や摩耗による低音の破壊は起こらない。ハイレゾ音源とは、デジタル録音した時にカットしていない音質を保ったままデジタル化した音源だ。(アナログは60分の音楽は60分分の録音テープが必要ですが、デジタルでは一様ではない。だから一概には定められないが、現在の市販 CD にハイレゾ音源のそのままを入れると10分ぐらいの再生しかできないので商売に成り立たない。)マーティ・フリードマンもタモリ倶楽部で空耳アワード2015の回の時に音楽はベースラインが心地よいのに、「パソコンで音楽聞くと悲しくなります。ベースが聞こえないじゃないですか」って嘆いていましたね。

協奏曲ディスク史上に輝く、人類の持つ至宝

 プロデュースは、DECCA でブリテンやケルテスの録音を担当したレイ・ミンシャルで、エンジニアのマイク・マイルズとのコンビで収録に当たりました。1956年以来1980年代にいたるまで、デッカのウィーンにおけるステレオ・セッションのホームグラウンドとなったゾフィエンザールは、19世紀前半に浴場として建てられ、その後舞踏会場として使われていた建物で、ヨハン・シュトラウスも頻繁に舞台に立ちました。このホールは、細部の音まで明晰に収録・再現しようとするデッカのレコーディング・ポリシーに最適で、伝説的なショルティの《ニーベルングの指環》をはじめとする、デッカ・サウンドの代名詞となった名録音が次々と生み出されました。
 このブラームスもその1枚で、バックハウスが、巨匠カール・ベーム(1894~1981)指揮するウィーン・フィルと、1967年に英 DECCA に録音したブラームスのピアノ協奏曲第2番は、渋みを持った美しいソロ・ピアノ(ベーゼンドルファー)を中心に、その背景に、シルキーでしかも厚みのある弦楽パート、香ばしい輝きを放つ金管、ウィンナ・オーボエやクラリネットなど個性的な響きを披露する木管などをくっきりと立体的に再現し、録音後、ほぼ半世紀を経た現在も、その鮮明なサウンドの魅力は色あせていません。
 この曲をフィジカルに熟知しているウィーン・フィル、その構成感に徹底的に通じたベーム、そしてその両者を身に付けたバックハウスのあいだには一部の隙もなく、80歳を超えた大家が、ベーム/ウィーン・フィルによる極上のバックを得て、堅固に構築された様式感をもって堂々たるピアノをきかせている。出来上がった演奏は豊かな風格を持ち、細部に至るまですべての要素がよく手の内に入っている。押し出しよく、伝統的な要素にも配慮が行き届き、間然とするところがない。まさに当協奏曲の大作の『金看板(盤)』と称してもおかしくないような存在感で、発売以来一度たりともカタログから消えたことのない、まさにエヴァーグリン的な名盤と称せましょう。



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