ジャズのSPレコードを聴く – お天気鳥/Weather Bird – Louis Armstrong [1928]

インターネットのブログやコメント、ツイッターなどの文章の最後には”www” がついていたりするようになりました。これは若い人が良く使っているもので、それが意味するところは「What a Wonderful World」の略で「人生賛歌」を暗示しているものらしいです。ものに恵まれた時代に育った若者らしいことで、その若者の間では、アームストロングが入口となってジャズが人気となっているようです。女子ジャズと言って今、ブームですがルイ・アームストロングが「What a Wonderful World」に込めた思いを考えると共に、若者の風潮を真似して間違った使い方をして悦に入っていないか心がけましょう。アームストロングの名前から、アポロ宇宙船を連想した人は特に注意が必要です。

ちなみに「w」ひとつには上機嫌を表すと共に、浮ついた気持ちの時に使います。やんわりとした気持ちを伝えるつもりが、いやみに受け取られているかも知れませんよ。

Weather Bird / Louis Armstrong (tp solo) acc. by Earl Hines (p)
Columbia 36375
rec. Chicago, December 5, 1928

レッド・ラベル、金文字印刷。

風見鶏の事を、ウェザーバードと言うかどうか分からないけれども「お天気鳥」の方が良いかなと思いました。意味は転じて、降るか晴れるかでさえずり方の違う気分屋の事なんだろうなと思います。調子がいいとおしゃべりで、外向きになっていると自己診断して色んな人に話しかけてみる。でも所詮話題の浅いお話しはかえって己を追い詰める事になって、それを逃れる為に目して内にこもってしまう。陽気な曲だけど、そんな感じに聞こえます。

  
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weather_bird.mp3 (3251 KB)

  • このコロムビア盤は、ルイ・アームストロング(すなわちサッチモ)のオーケー時代の録音を集めて復刻した1941年の4枚組SPアルバム『Louis and Earl』(Hot Jazz Classics, Set Number C-73)の1枚で、オリジナル盤はOkeh 41454。
  • 良く親しまれている、サッチモ初期の名演のひとつです。名コンビだったアール・ハインズのピアノのみをバックに、歯切れの良いスピード感のある演奏を聴かせています。トランペットのサウンドや流れるようなフレージングも素晴らしく、サッチモがジャズの巨人であることをあらためて感じます。
  • 「Weather Bird」は、サッチモ自身の作曲。彼を含むキング・オリヴァー楽団が1923年4月6日に「Weather Bird Rag」としてジェネット・レーベルに初めて録音した曲で、その1週間後には著作権登録も行なわれています。
  • このレコードの録音は、1928年12月5日にハインズとのデュエット録音。この4週間後の29年1月にも再度著作権登録が行なわれていますが、その時のリードシート(著作権管理のためにメロディ、歌詞、コードを記した楽譜)には、録音されてない第3のストレインが記載されているとのことです。当時の録音は2分半から3分という制限がありましたから、歌詞カードにはあっても歌われない事が数々あります。