時代背景も関わっているのでしょうか、指揮者の記載がありません。演奏している管弦楽団がベルリン・シュターツ・オパーと記載されているだけで、それ以上は不明。1926年から28年頃の間の電気録音。12インチ盤両面盤で、盤面の変わる直前でテンポが下がっているのが特徴かも知れませんが指揮者を推測して聴き込むのも面白いことです。演奏はしっかりとした骨格のワグナー。
ベルリン・シュターツ・オパーの音楽監督にブルーノ・ワルターが就いていた期間は1925年から29年で、同時期にコロンビアに録音していますから当盤では指揮者の表明を控えたとも考えられます・・・今のライヴ録音が短期間の間にリリースされたり、同じ楽曲が新譜でリリースされる状況とは違って当時は演奏者とレコード会社は専属制でしたし、同じレコード会社からは6ヶ月間(だったかな)は同じ曲を録音していても発売は出来ない取り決めでした。知られた話しでは、カラヤンがウィーン・フィルと録音を計画している曲をフルトヴェングラーが録音してグラモフォンから発売していたこと。それに対してカラヤンが英EMIで録音していひゅ(異風)返ししたりと・・・。また、レオ・ブレッヒ、フルトヴェングラーが客演することもあり得そう。ベルリン・フィルの名前が使えないから、ベルリン大オーケストラという名義での録音もありましたから管弦楽団名も確かとは言えません。とは言え、電気録音の最も古い「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲は堂々としている良い音楽で録音されていたことを楽しみましょう。
Richard Wagner: "Die Meistersinger von Nürnberg": Vorspiel zum 1. Akt
Orchester der Städtischen Oper, Berlin
Special 1 (1951/2)