-英国デッカ廉価盤一考察-SP末期の40年代後半に独自の高音質録音技術 Full Frequency Range Recording (ffrr)という潜水艦技術応用した音を引き下げ突如市場に登場。LP時代に入ると連合国の一員でしたからウイーンフィルと独占録音契約を結んでクレメンス・クラウス,クナパーツブッシュ,ワルターなどの名演奏をカタログに加えるとともに,デッカ重役の親友だったアンセルメやクラシックとポピュラーの偉大な融合立役者マントヴァーニも加え(当時のモノラルとしては)超高音質の録音で一世を風靡。そのデッカがステレオ時代に入った1958年に満を持して発表したのが Full Frequency Stereo Sound (FFSS) によるレコードです.以後CD時代に入る1980年代初頭まで,FFSSは高音質ステレオ録音の代名詞として不動の地位でした。 これらのレコードは英国本国,ヨーロッパ,南アフリカやオセアニア,韓国などでは Decca(デッカ)レーベルで発売されましたが,同名のレーベル(米デッカ)が存在したアメリカと,アメリカ経由の原盤供給が普通だった日本では London (ロンドン)レーベルで発売.日本ではご存知の様にキングレコード社が長年にわたって配給元となっていました。そしてキングレコードによる国内プレスが行なわれましたが,プレス時に使われるスタンパー(レコードの鋳型)の大部分に英国から輸入した金属原盤を使っていました.したがって,カッティングは英国盤と同じ,音質について差が出るのはレコードの盤質だけです.1950年代の初期日本プレスはノイズが多いなど問題があったようですが,1960年代からは英国盤より高い品質を誇ったと思います。レコードの金属原盤やスタンパーは消耗品なので,販売を続けるうちにどうしてもカッティングなどを更新する必要があります1スタンパー500枚程度だと聞いていますが・・・このときに音質の変化が起こります.カッティングのもとになるマスターテープの音質が経年変化で徐々に低下すると言われています。本題の今回出品するデッカの廉価盤は60年代初頭発売のモノラルの「Ace of Clubs」ではじまり,1965年頃からはステレオ録音を「Ace of Diamonds レーベル(SDDナンバー)」として再発売されSDDも70年頃まで(SDD100番台)はレーベルが大きく,上部に Full Frequency Range Recording という表示。これらは盤質もED1ワイドバンドと同様なだけでなく,ほとんどの場合ワイドバンドで使われた金属原盤を流用してプレスされているので,音質的にワイドバンドに匹敵するものになっています.とくに高価なSXL2000番台の再発にあたるものは,市場価格が非常に安いこともあって隠れたコレクターズアイテムです。大レーベルで溝ありと溝なしがあります.70年代に入るとSDDシリーズのレーベルも小さくなります。レーベルのデザインも微妙に変化しています.これらはオリジナルのSXLと別編集のリカッティングになっているものも多く,盤質も低下していて,コレクション的な価値も下がりますが、今回のキングレコード社直輸入盤は「オリジナルSXL****と同じZAL****1-3W(A)/1-3W(A)初期スタンパー使用盤多く最近リリースの独逸製造レプリカ180g盤よりオリジナル盤に近い音がすると個人的に思っています。次にデッカは第2の廉価盤シリーズ「 Eclipse」 をリリース。これもほとんどはSXLナンバーで発売された録音の再発ですが,一部にそれまでモノラルでしか発売されていなかった録音のリアルステレオ盤や,SP復刻などに初発録音があって,それらは初出として価値の高いものとされています。しかし,スタンパーが異なる編集盤や,モノラル録音疑似ステレオ盤はコレクション的には無価値と考えられているようですが・・・米国でも負けずにLondon Stereo Treasury Seriesの70年代以降プレス,小レーベル。このころ(STS15200以降)は英国でEclipseやSPAで出ている録音もこのレーベルで発売されています.中には英国で再発されなかったようなものも含まれており,じっくり調べると興味深いものです
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俗世の欲得抜きの枯れた境地☆エヴァーグリーン バックハウス、ベーム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ピアノ協奏曲第2番
-英国デッカ廉価盤一考察-SP末期の40年代後半に独自の高音質録音技術 Full Frequency Range Recording (ffrr)という潜水艦技術応用した音を引き下げ突如市場に登場。LP時代に入ると連合国の一員でしたからウイーンフィルと独占録音契約を結んでクレメンス・クラウス,クナパーツブッシュ,ワルターなどの名演奏をカタログに加えるとともに,デッカ重役の親友だったアンセルメやクラシックとポピュラーの偉大な融合立役者マントヴァーニも加え(当時のモノラルとしては)超高音質の録音で一世を風靡。そのデッカがステレオ時代に入った1958年に満を持して発表したのが Full Frequency Stereo Sound (FFSS) によるレコードです.以後CD時代に入る1980年代初頭まで,FFSSは高音質ステレオ録音の代名詞として不動の地位でした。 これらのレコードは英国本国,ヨーロッパ,南アフリカやオセアニア,韓国などでは Decca(デッカ)レーベルで発売されましたが,同名のレーベル(米デッカ)が存在したアメリカと,アメリカ経由の原盤供給が普通だった日本では London (ロンドン)レーベルで発売.日本ではご存知の様にキングレコード社が長年にわたって配給元となっていました。そしてキングレコードによる国内プレスが行なわれましたが,プレス時に使われるスタンパー(レコードの鋳型)の大部分に英国から輸入した金属原盤を使っていました.したがって,カッティングは英国盤と同じ,音質について差が出るのはレコードの盤質だけです.1950年代の初期日本プレスはノイズが多いなど問題があったようですが,1960年代からは英国盤より高い品質を誇ったと思います。レコードの金属原盤やスタンパーは消耗品なので,販売を続けるうちにどうしてもカッティングなどを更新する必要があります1スタンパー500枚程度だと聞いていますが・・・このときに音質の変化が起こります.カッティングのもとになるマスターテープの音質が経年変化で徐々に低下すると言われています。本題の今回出品するデッカの廉価盤は60年代初頭発売のモノラルの「Ace of Clubs」ではじまり,1965年頃からはステレオ録音を「Ace of Diamonds レーベル(SDDナンバー)」として再発売されSDDも70年頃まで(SDD100番台)はレーベルが大きく,上部に Full Frequency Range Recording という表示。これらは盤質もED1ワイドバンドと同様なだけでなく,ほとんどの場合ワイドバンドで使われた金属原盤を流用してプレスされているので,音質的にワイドバンドに匹敵するものになっています.とくに高価なSXL2000番台の再発にあたるものは,市場価格が非常に安いこともあって隠れたコレクターズアイテムです。大レーベルで溝ありと溝なしがあります.70年代に入るとSDDシリーズのレーベルも小さくなります。レーベルのデザインも微妙に変化しています.これらはオリジナルのSXLと別編集のリカッティングになっているものも多く,盤質も低下していて,コレクション的な価値も下がりますが、今回のキングレコード社直輸入盤は「オリジナルSXL****と同じZAL****1-3W(A)/1-3W(A)初期スタンパー使用盤多く最近リリースの独逸製造レプリカ180g盤よりオリジナル盤に近い音がすると個人的に思っています。次にデッカは第2の廉価盤シリーズ「 Eclipse」 をリリース。これもほとんどはSXLナンバーで発売された録音の再発ですが,一部にそれまでモノラルでしか発売されていなかった録音のリアルステレオ盤や,SP復刻などに初発録音があって,それらは初出として価値の高いものとされています。しかし,スタンパーが異なる編集盤や,モノラル録音疑似ステレオ盤はコレクション的には無価値と考えられているようですが・・・米国でも負けずにLondon Stereo Treasury Seriesの70年代以降プレス,小レーベル。このころ(STS15200以降)は英国でEclipseやSPAで出ている録音もこのレーベルで発売されています.中には英国で再発されなかったようなものも含まれており,じっくり調べると興味深いものです