ストラディヴァリウスの個性を引き出している*ミルシテイン ヨッフム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

通販レコードのご案内汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ。ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるのが伝わる。ヴァイオリンの貴公子と呼ばれたミルシテインの、この気品はオーディオにこだわって再生して楽しみたいものだ。

DE DGG 2530 592 ミルシテイン/ヨッフム/ウィーンフィル ブラームス ヴァイオリン協奏曲《独ブルーライン盤》DE DGG 2530 592 ミルシテイン&ヨッフム/ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲 演奏家としては同門のハイフェッツと同じく傑出した超絶技巧の持ち主ではあったが、それを前面に押し出す演奏には消極的だった。むしろイザイを通じて身につけた、歌心と美音を尊重するベルギー楽派の優美な演奏スタイルが際立っている。そのためしばしばミルシテンはヴァイオリンの貴公子と称される。同門のハイフェッツやエルマン比してアクは少ない。しかしその音楽は決して退屈なものではなく、時にはフランス流エスプリ色の強い堅固に構築された音楽の中からほとばしる情熱を垣間見せる。
「彼は古今東西最も音が明瞭・透明なヴァイオリニストだ」とイツァーク・パールマン( Itzhak Perlman )は評していたようです。そのミルシテインは練習の虫で「もっと明瞭なフレージングができる指使いを発見したぞ」と友人に話し聴かせる事も多々あったようですが、演奏スタイルは「超絶技巧」を前面に出さず音色もフレージングも非常に明瞭で独特の気品があり、艶やかで匂い立つ様な色気に満ちた素晴らしいものです。
 ミルシテインは、ブラームスのスタジオ録音を3種残した。最後になった本盤の録音ではミルシテインが70歳過ぎであるが、テクニックは衰えていない。どの演奏も過剰にテクニックをひけらかさず、過剰な感情移入も避けている。オーケストラのスケールの大きさ上手さではオイゲン・ヨッフム指揮ウィーン・フィルが一頭ぬきんでていて、ミルシテインはそれに一歩も引かない素晴らしい独奏を繰り広げている。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲のカデンツァには大半がヨアヒムのもので、あとはクライスラーのものが演奏されることが多いが、ミルシテインは3度の録音いずれでもミルシテインの自作のものが用いられている。この演奏は文句無く最高で、他の追随を許さず超然としています。
 この演奏を聞くとまず、これがスタジオ録音であるが、あたかもライヴのように生々しく、びりびり伝わってくるものがあります。そんな目の前で弾かれているかのような実在感と緊張感があるのは、ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるからでしょう。汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ物凄い熱演です。

1974年12月ウィーン、ムジークフェラインザールでのギュンター・ブリースト、ギュンター・ヘルマンスによる優秀録音、名盤

通販レコード詳細・コンディション、価格

Nathan MILSTEIN, Eugen JOCHUM/ Wiener Philharmoniker – BRAHMS: VIOLIN CONCERTO – Deutsche Grammophon 2530 592

プロダクト

レコード番号
2530 592
作曲家
ヨハネス・ブラームス
演奏者
ナタン・ミルシテイン
オーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
オイゲン・ヨッフム
録音種別
STEREO
ドイツ初出 BLUE LINE, STEREO 1枚組(140g),Release 1975。

販売レコードのカバー、レーベル写真

DE DGG 2530 592 ミルシテイン/ヨッフム/ウィーンフィ…
DE DGG 2530 592 ミルシテイン/ヨッフム/ウィーンフィ…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
DE(ドイツ)盤

《ブルーラインラベル》外周が青の二重線で囲まれたものです。

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オーダーは 品番 / 34-25966
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 使用楽器は高名なストラディヴァリウスで、楽器の制作時期は黄金期ではあるが一級の名器に比べるとやや音量が少な目の楽器だという。ストラディヴァリウスと言っても同一作者が楽器を一本、一本、作り、調整していたわけでないことは近頃では判明していること。細身に聞こえても演奏者の腕の衰えと捉えるのはおかしい。
 長谷裕二さんの説明書きでは、ミルシテインの美音がカラヤンにダメにされたと強調するような書かれ方をしているようですが、その根拠気にかかります。
 しかし本盤を聴けば、この楽器の潜在能力をミルシテインが十分に引き出していたに気づくと思います。
 一挺のヴァイオリンがフルオーケストラに引けをとらない存在感を示し、完全に対峙している。一つの楽器に可能な限り有効な音を詰め込み、表現の極限に挑戦した意欲的な創作と言えるのでは ― ドヴォルザーク、グラズノフのヴァイオリン協奏曲にぴったりではないか、作曲家が個性を押し出した音楽の感動を与えてくれることを如実に証明してくれた演奏です。

【ナタン・ミロノヴィチ・ミルシテインのプロフィール】(Nathan Milstein、1903年12月31日〜1992年12月21日)ウクライナ出身のユダヤ系ヴァイオリニスト。しばしば20世紀の傑出したヴァイオリニストのひとりに数えられており、ロマン派の作品ばかりでなく、バッハの無伴奏ヴァイオリン作品の解釈で知られた。多くの協奏曲のために独自のカデンツァを作曲しただけでなく、ヴァイオリンのために多くの編曲を手掛けている(中でもショパンの夜想曲の編曲は有名)。傑出した超絶技巧の持ち主ではあったが、それを前面に押し出す演奏には消極的だった。むしろイザイを通じて身につけた、歌心と美音を尊重するフランコ・ベルギー楽派の優美な演奏スタイルが際立っている。そのためしばしばミルシテインは、「ヴァイオリンの貴公子」と称される。
○使用楽器
- 1710年製ストラディヴァリウス「Dancla, Milstein」(1934-1946)
- 1716年製ストラディヴァリウス「Maria Teresa:マリア・テレサ, Milstein, ex Goldman」(1945-1992)
○評価
派手さはあまりないものの繊細な高温と濃厚な低音を、その美声で丁寧に奏でる。聴けば聴くほど嵌まる燻銀な演奏。

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